新しく『帝国内燃機ブログ』を立ち上げました。
立ち上げの理由ですが今後内燃機加工をアウトソーシングに出すのは時代の変化と共に不可となる為です。
日本全国で同じ事が言えますが現在当たり前の加工は今後当たり前ではなくなります。
取引先の料金の高騰と技術継続の問題もあり当店に内燃機加工部門を立ち上げました。
エンジニアの中でも内燃機加工は花形の仕事と思っていますがどこも内燃機加工で生業を立てるのは非常に難しい時代になりつつあり
また当店の基準をクリアする精度の加工が出来る場所が無く通常のライナー打ち換えのボーリング加工ですら基礎知識の無い内燃機屋が現在は多いです。
その状況でビッグブロックシリンダーのボーリングはもっと難易度が高いので全て当店で内燃機加工を簡潔させる決断をしました。
シリンダーのボーリング加工の紹介です!!
第一工程としてオーバーサイズのライナーを入れる為の下穴を空けます!!
ボーリングヘッドの回転速度は写真にもはっきりと写る程ゆっくりです!!
ゆっくりと第一工程の下穴をボーリングし次は第二工程です!!
これがライナーがは入る最終のボーリングで肉の取しろを少しにして回転速度を上げ表面を綺麗に仕上げます!!
昔の総合二輪工作所のブログでも「Oリングを圧入」とよくブログに書いていましたが何故ライナー下にOリングが必要かと言いますと!
内径の中央下に点があります!!
これは巣穴です!!
シリンダー外観からは分かりませんがボーリング中に巣穴が出てくるのは当たり前です!!
ここが普通のバイク屋さんには分からない場所!
ボーリング中だと小さな巣が出てきて内径をさらに大きくするともっと巣が出てきて更にボーリングし最終工程の大きさまで仕上げると巣が消えることもしばしば!!
(最終工程になり出てくることも多々あります)汗
アルミ鋳造は巣穴との闘いで最もアルミ鋳造が綺麗なのがヤマハです!!
Kawasakiエンジンチューニング専門の当店はアルミ鋳造はカワサキと言いたい所ですがこのZは鋳造以前にシリンダーの加工精度ですらイカレてますからね!
Zのエンジンの場合ライナー打ち換えは絶対に必要です!
この巣ですがボーリング加工をしていると当たり前に出てくるのですがこの巣が最後の一粒なのかこの先にまだ巣があるかは分からないのでここで必要なのがライナー下のOリングになります!!
この巣を特殊なセメントを擦り付けて埋めるのですが、それでは不十分なのでOリングでオイルが上がってくるのを防ぎます!
ライナーの締めしろは5/100mmから6/100mmぐらいを狙うのですがエンジンが温もるとライナー外周
上の写真の内径をオイルが上がってきます!
それをOリングである程度防ぐのがOリングの溝切り加工です
最終工程で仕上げましたが黒い点が見えるのは全部アルミの巣穴です
雑誌では綺麗な内径の写真ばかり上がってますがこれが普通です!!
と言うかこれが現実です!
なのでシリンダーをひっくり返して芯出しをしてOリングの溝を掘り直します!!
ここに何ミリの溝に何ミリの太さのOリングを入れるのかこれは内燃機屋が指定するのではなく依頼するバイクショップの仕事です
殆どのバイクショップがこの原理を知らないので内燃機屋は言われた様にしか加工しません。
なので巣があってその巣がシリンダー外側に開通していた場合オイル漏れが発生します!
そんなトラブルが出た時にエンジンを組んだバイクショップは「内燃機屋が悪い」と言い
内燃機屋は「指定された寸法でしっかり加工した」と言うどちらも悪い様な悪くない様なトラブルが発生します。
帝国内燃機で紹介できる内容は本当に初級の加工なのですが公開できる内容は3割程です。
単純に内径や外径の精度が良ければ良いと言う単純な仕事ではありません!
この上記のライナー打ち換えのボーリングも本当に正しく加工できる場所はとても少ないです。
ライナーを入れます!!
ワイセコピストンに付属しているLAスリーブです!!
このライナーは巣が出る事は今までの経験上ありません!!
アルミのシリンダーの巣は当たり前ですが極まれにライナー(鋳鉄)にも巣がある場合があります!!
最終仕上げのボーリングに出てくるとアウト・・・・
ライナー打ち換えです・・・・
アルミのボーリングとライナーのボーリングではボーリングヘッドと片側の肉の取り代も異なります
少し広げまた少しと広げていきます!!
熱が入ると精度が狂うので最後はしっかりと温度を常温まで下げ高速回転で100分の1mm代を加工します!!
そしてシリンダー上面を面研しホーニング加工です!!