香川県 〇〇様 Z550GP 710ボアアップ

本日はまたまた香川県よりボアアップで入庫です

以前当店でボアアップされた若手社長の友人のお客様です

ちなみにこの車両のオーナー様も社長で10代でパパとなり社長になられた凄まじい人生を歩まれているのは少しお話ししただけで分かりました

先月の神戸の社長もですが最近経営者の社長が入庫される事が多いのですがその話しを聞くだけでも面白い

なんか勇気湧いてきます

入庫したのがこの車両です

cimg5332_s

Z550GPと言う名ですが実際はFX!!

輸出モデルの車両でフレームはリンカーン工場で製造されたメイドインUSAの車両!!

FXからGPに代わる角季の車両で特徴は各目のビキニカウル!

cimg5333_s

そして燃料メーター!

cimg5334_s

あとは550のFXと同じです

日本では殆ど見ない車両ですがアメリカにはこの様な車両がありました!

またフレームの製造技術は国内のFXよりも綺麗でズレもない!!

国内のFXは溶接のし忘れやステーがズレて溶接されているのは当たりまえで特に初期のE1は酷い・・・・・

テールランプは歪んでいるのが当たり前の車両です

竹の定規を当ててバチバチと溶接していたのですがさすがにE4辺りは慣れているのか比較的綺麗に溶接されています!

フレーム番号を気にしないのであれば絶対輸出モデルのZ500・550FXがお勧めです

国内の車両みたいに事故車が少なく砂漠地帯はサビもない

上物の車両のベースが多いです

早速エンジンに取り掛かります

cimg5335_s

エンジンを降ろしました!!

少なくとも腰上(シリンダーヘッド)は一度分解された痕跡があります!

ヘッドカバーガスケットがFXではなくZ400GPの物が入っていました

日本人かアメリカ人かは分かりませんが車両の名がZ500GPなので間違えたと思われます!

cimg5336_s

シリンダーヘッドを分解するとステムシールが一か所入っていません

cimg5337_s

他の7か所は入っていましたがカチカチに劣化していてパリパリと割れました

ここの素材はゴムです

そしてジェネレーターカバーを外すと!!

cimg5338_s

マグネットローターにボルトがくっつき磁石がガリガリです

cimg5339_s

ここのボルトが緩んでいて脱落したみたいです・・・

3本中一本しか締まっていない状態でした

マグネットローターは良品に交換します

cimg5344_s

エンジンを全分解しサンドブラスト加工をしました

こちらのオーナー様はGPヘッドでフルパワー化です

ヘッドは当店の在庫を使います

cimg5346_s

エンジンをペイントしダミーシリンダーでクランクケースのボーリングをしました

半艶のブラックが一番似合います

綺麗なエンジンになりました

クランクメタルを新品に交換します

cimg5350_s

クランクとのクリアランスを測定すると一か所ブラウンが入ります!

cimg5353_s

七割~八割はブルーですが!

cimg5354_s

たまにこんなメタルを使う場合があります

Zのエンジンは置いていくだけなのでとても簡単!

カブのエンジンを経験するとZは誰でも組めるほど単純なのですが

落とし穴がZには多々あります

マニュアルには記載されていないトラブルなのでやはり簡単でも経験が必要です

ザッパーエンジンはここの測定が時間かかります

過去には全部ブラウンのメタルってものありました

後はトルクの管理!

プライベーターやチャリ屋の延長のバイクショップではトルク管理が悪くメタルを焼いてしまうってのもありました

腰下で一番神経質になるのはこことミッションのギア抜けです

FXの場合ミッションは少しでも摩耗していると無料で交換可能です

全然使える位の摩耗でも交換しています

cimg5357_s

コンロッドメタルも交換し測定完了です

コンロッドメタルも全て測定が必要でマニュアルのは「コンロッド大端部にマークありはこのメタル!」と指示がありますがこのマークはスタンプなのでほぼ100%消えています!!

マークが消えのっぺらぼうなので実際は測定が必要です!

cimg5358_s

ミッションを洗浄し点検し組み込みました

今回はゼファークラッチの移植をしないのでプッシュロッドを入れる予定です

ロアケースにシフトドラムを組むのですがなんか変・・・・

cimg5359_s

この部品・・・・

1速・N・2足→・→・とシフトドラムを位置決めする部品なのですがいつもと感触が違う・・・

手にした感触も変・・・・・・

測定してみます!!

cimg5361_s

↑こいつは当店の在庫にある良品!

cimg5360_s

↑こいつは元々入っていたやつ・・・・・

35/1000ミリ程・・・・・分厚いんです

このちょっとの差でクリップがパチっと綺麗に収まらないので交換!

分解時にクリップが溝の奥まで入っていなかったので違和感があったのですが組む時にも違和感がありました

cimg5363_s

良品に交換しクリップが綺麗に噛み込み完璧です

こんな場所のトラブルは勿論マニュアルには書いていません!

400エンジンは300機以上組んできたと思いますが今でも勉強する事があります

こんな所でクリップが外れるとどんなトラブルを引き起こすか考えただけでゾッとします

この様にメーカーの部品の悪さもあります!

オイルラインが貫通していなかったりオイルラインにキリコが詰まっていたりFXではオイルラインを加工中のドリルが折れその折れたドリルの先端が残ったままってのもありました

あとはシリンダーヘッドのシリンダー側の面が鋳型が残って面研磨途中の物やオイルポンプの位置決めのピンが異常に長く継ぎ足してあったり

が、それよりも圧倒的に多いのが素人が組む事による人為的なトラブルです

ピストンでもZ400FXやGPにワイセコピストン入れたり550ピストン入れて圧縮低くしてスカスカだったりGPにヨシムラの550クランク用ピストン入れて壊れたり同じくPOSHのピストンを400ケースに550クランク入れて衝突させたりFXにゼファー400クランクとゼファー400ピストン入れて衝突させたり・・・・

まあヨシムラの550ピストンは設計ミスなのでメーカーが悪いのかな?・・・・

色々あります・・・

cimg5367_s

ロアケースを組み込みます

cimg5369_s

クランクケースのネジもステンレスに変更です

cimg5377_s

オイルポンプをワンウェイクラッチを組み込みました

オイルパンを組んでエンジンをひっくり返します

cimg5381_s

こちらのオーナー様は一次減速550をそのまま組みます

一次減速を550・Fスプロケ18・R38丁に変更しFXのクラッチカバーをそのまま使います

これの減速比でもショート・・・・

かなり加速気重視です

既製品である減速比では一番ロングのセッティングですがRスプロケを35丁程に落とすともー少し乗りやすいかなと思います

しかし35丁は特注になります!

cimg5383_s

FXクラッチカバーを装着します

cimg5384_s

ミッションカバーはサンスターの18丁が入る様に加工しています

PMCの18丁なら干渉しないのですがPMCの18丁はスプロケを加工しないといけません(分厚い為)

プッシュロッドのオイルシールはメーカー欠品なので他車種流用です

シリンダーヘッドの修正をします

cimg5409_s

このヘッドはOH歴ありですが精度は良かったです

45度を加工し70度でシートリング内径拡張をしました

cimg5410_s

全てのシートリングの加工完了です

cimg5416_s

バルブのカーボンを落としました

EXバルブはかなりダメージがあります

cimg5417_s

一番ひどいのがこれです!!

45面の修正は出来そうですが曲がってないか心配です・・・・

cimg5418_s

研磨機にて全てのバルブを修正しました

すり合わせをして圧力検査をすると・・・・

cimg5419_s

やはり圧をかけると漏れます

すり合わせをして光明丹を塗って点検しても問題ないしこのまま組んでもエンジンは問題なく動きますが当店の基準ではNG!

良品に交換です!!

cimg5426_s

このヘッドはシートカット歴があったのでバルブステムの突き出し量の調整もします

7本研磨し焼き入れをしました!

Zやゼファー750エンジンではこの加工をすると

「ああっ・・・・そろそろ後が無いな・・・」

と、なるのですが400エンジンでは調整しろが多いのでまったく問題ありません!!

バルブスプリングのバネ定数が下がるのがネックですが当店の場合対策品があるので全く問題なしです

このヘッドも仮組して、あらかじめタペット調整をします!

cimg5427_s

先ほど言っていた対策品ですが!

それはこれ!!

cimg5428_s

バルブスプリングシートの下に入れるシムです

cimg5429_s

こいつを入れる事によりバネ定数を基準値に戻す事が可能です

今までも過去にOH歴のあるエンジンでバルブステムを研磨したヘッドには私の独断でかってに入れてきたパーツ

昔は販売していたのですがワケも分からず社外パーツを入れたがる傾向がある日本のバイク業界・・・・

素人が入れるとカムに連動し異音が出るので販売をやめました

こちらのオーナー様もポート径拡張!!

cimg5430_s

吸気ポートを広げて!

cimg5431_s

排気ポートも拡張です

FXヘッドを卒業しGPヘッドでパワーアップしそれをさらに拡張しフルパワー化です

400エンジンは拡張してあげると大幅にパワーが上がるので費用相対効かは大きいです

そしてFXの機械式タコメーターを装着するのでシリンダーヘッドにメーターギアの穴を作ります

cimg5432_s

FXヘッドにハイカムとGPヘッドにFXカムなら絶対にGPヘッドの方がパワー出ます!!

しかし硬派なFX乗りはここをあえてFXヘッドで行く人も多いので見た目かパワーか・・・・

20年以上前はGPヘッドを組むと言ったら超お金持ちがする贅沢な改造でしたがネットオークションなどが身近になるとFXヘッド派が多く出てきたのかな・・・

当時の憧れなのかGPヘッドでフルパワー化は意外と40代以降の人が多いんです

ビッグブロックシリンダーが仕上がったのでダイヤルゲージを入れクリアランス測定をします

cimg5438_s

cimg5439_s

測定完了

完璧です

ビッグブロックシリンダーとピストンを組み込みます

cimg5445_s

cimg5446_s

そしてヘッドガスケットを組みフルパワーヘッドを組みます

cimg5447_s

ビッグブロックシリンダーにGPヘッド!!

走る為のパワーを感じます

工場でこのヨインに浸ってますが仕事とが終わり部屋に帰ると娘二人と

「おかあさんといっしょ」を見ます・・・・

時々このギャップに気が狂いそうになるのですが最近は慣れてきました

cimg5454_s

カムシャフトを組みタペット調整をします

そしてヘッドカバーを組みエンジン完成

cimg5460_s

部屋に戻ってNHKのゆきちゃんが歌うダンゴ虫の歌地獄もある・・・・

気持ち切り替えます

次の日!

エンジンをフレームに搭載します

そしてエンジンに火入れします

cimg5470_s

このエンジンも絶好調

CRキャブのブラックボディーにウオタニも装着です

今回GPヘッドでCRキャブなのでファンネルの長さの変更もしました

Z400FXでFX用のCRキャブ装着の場合標準のファンネルだと脱着する時ギリギリフレームに干渉してしまいます

その時フレームに小さな傷が入る時もあるのがネックですよね

なんせ整備性が悪い・・・

今回はGPヘッドにゼファー用のCRキャブですので標準ファンネルは絶対に装着不可能です

なので!!

cimg5475_s

1番4番はショートファンネルで2番3番はロングファンネル仕様

昔のレーサーのFX乗りはこの仕様にする人が居ました

今でもこの仕様で来店されるお客様も稀に居ます

元々ファンネルはキャブ後方で乱気流が発生するのでその空気を効率よく吸気する為のパーツです!!

しかしFXの場合サイドカバーとフレームがちょうど1・4番のキャブの位置に来るので隙間を空けて吸気効率を上げる人が居ました!

メーカーでもGPZ400Fからゼファーに進化した時GPZ400Fはショートマニーホールドにしていますがゼファーのマニーホールドは長く1・4番のキャブは内側へオフセットされました!

エンジンへの総合吸気力は後者のゼファーの方が優秀です!!

しかしシャーシダイナモの上では違う結果になります!!

何故かわかりますよね!

そこに気付いた人(当時のレーサー)は1・4番のファンネルのショート化を選んだのでしょう

とは言っても一般走行では殆ど体感出来ないのですがね・・・・

今回は標準装備の70mmファンネルが使えないのでこの仕様にしています