静岡県 〇〇様 Z2 1079ccボアアップ

本日はZ2クランクでのボアアップです!!

大変長らくお待たせしました

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差し入れでイチゴを頂きました

有難う御座います

今回入庫したのがこの車両

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神奈川のZも得意?とするショップでエンジンのレストアをしたらしいのですが不調

とのコトです

シリンダーとヘッドの隙間から霧吹きで吹くようにオイルが噴き出してきて異音もとても大きい・・・・・

「地元の知人からも凄い異音がする」

と指摘されるぐらいなのでエンジン内部で異常な事態になっているのは誰から見ても判断できます

実際始動させてみると腰上から明らかな音・・・・

クランク付近からも音がするのですが腰上の音が多き過ぎてピンポイントで分かりません

早速分解してみると・・・

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2番のカムホルダーが後ろ向きに装着されていたのでカムメタルの片側が異常に摩耗し半分は新品の状態です

カムシャフトは・・・

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ピカピカに磨かれていますがカムホルダーが逆に付いていた箇所は

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ガリガリで傷だらけです!

でも思ったより軽症!!

Zなのでカムとカムメタルが潰れてくれて焼けずに済んだので良かったです

しかしカムホルダーの変形は少しあると思います

ザッパーエンジンなら100%焼けてました

腰上を分解すると!

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ヘッドガスケットはメタルの物が入っていましたが分厚くし過ぎたみたいでOリングが全然効いていなかったみたいです

入っていたピストンはヨシムラの860でした

初心者の女の子が組むのにちょうど良いピストンです!

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多分スリーブを打ち替え上面を面研しカムチェーントンネルのOリングの溝が浅くなるだろうと思い5枚重ねのヘッドガスケットにしたみたいですがOリングが分厚くし過ぎたせいで効かずオイルが噴き出してしたと思われます

素人組みのエンジンです

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4番のシリンダーが傷だらけなので気になったのですがシリンダーを分解してみると!

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1,2,3番のピストンは良好ですが!

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4番ピストンのスカートが割れています

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4番のスリーブに深い傷があるので多分ボーリングが下手くそなんです

こんな小さい初心者用ピストンが割れるの初めてみました・・・・

腰上の異音の原因はここのピストンの首振りみたいです

タペット音もサービスマニュアルの方法でタペット調整したみたいなので音が出ていたと思われますがピストンの音が大きすぎてよく分からない状態でした

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今回一番心配だったクランクですがとりあえず使えそう

ピストンに連動して音がしていたのでコンロッドのガタの可能性もありました!

上下・左右のガタがなく点検棒も問題なく入るのであとは曲がりの測定をすれば使えそうです

Z1クランクではなくZ2クランクでのボアアップです

地元の常連様がご来店しZ2クランクでのボアアップと聞き驚いてしました

殆どの人はロングストローク化をしますがここを変えると「Z1やん?」と

言う人も居るので最強Z2!!!

「Z2への拘りが凄いですね!!!」と地元の常連様が言ってました

オークションで買うZのエンジン部品はゴミパーツの擦り付けあい

気軽にZ1クランクなんて買えません

リビルドクランクって高価な物もありますが万能ではありません・・・・

中にはリビルドせんほうが良かったやん!!・・・

って事例もあります・・・・

ショートストロークでハイレスポンスエンジンにします

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腰下を降ろします

そして分解

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気になったのは!

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6ミリボルトが折れ込み斜めにタップ切ってあったぐらい

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折れたボルトが再利用されて2山程しかかかっていませんでした

クランクケースで気になったのはここぐらい!!

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ここのクラックもなくクランクケースの状態は良いです

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ピストンスカートの破片がオイルパンの底にありました

残りの破片はオイル交換時に出たと思われます

とりあえずここが壊れていただけで軽症!!

クランクがトラブっていたらどうしようかと思いましたが元気なエンジンが出来そうです

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そしてシリンダーのスリーブを抜き取りました

大きなスリーブに交換されていましたが4番スリーブはユルユル

90度に加熱すると自重で落ちました

冷まして測定すると2/100ミリ程しか効いていなかったので内燃機屋が雑な仕事をしてたみたい・・・・

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エンジンを全分解しサンドブラスト加工しました

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半艶の黒にリペイントしました

クランクケースのボーリングも完了です

Z2のクランクケースなので大げさに広がりますがZ1よりも元々クランクケースが狭いのがZ2です

Z1000Jのクランクケースを同じぐらいのボーリングになります

クランクを測定します

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曲がりは2/100程なので良好

Z1クランクへの変更も勿論可能ですがなんせZのエンジンパーツはゴミパーツの出品なんて当たり前です

「実働!」なんて書かれていますが異音が出てても「実働」です

「フルリビルド済み」なんてのもありますが異音がする物もあります

クランク・ヘッドは高額な物を買えば大丈夫なわけではありません

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クランク・ミッションを測定しクランクケースに組み込みます

カムチェーンは交換してありましたが今回新品に交換しときます

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ロアケースを組みます

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オイルポンプを組んでオイルパンを組みひっくり返します

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ここのキー飛びもありません

ここのキーが飛ぶ原因はセンターボルトの使いまわしか弱いバッテリーで始動させるのが原因なコトが多いです!!

マグネットローターの内側のテーパーも一度飛んだぐらいなら問題ありませんがセンターボルトを使いまわしで修理すると何度も飛びます

そしたらマグネットローターの内側が傷だらけになるので交換が必要になります

勿論クランク側も傷だらけになります

Zに詳しいお店なら簡単ですぐに対策してくれますが分からないお店だと何度もキーを飛ばしマグネットローターを潰してしまします

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このZ2のマグネットローターはテーパーの部分は良好ですがアルミの部分と鉄の部分が分離してます

腰下の音はここが原因みたいです

これでも発電しますし使えない事はないのですが音が気になると思うので!

PAMSのマグネットロータータイプに変更する事になりました

と、言うのも今回マグネットローター地獄にハマりました

地元の解体屋に聞くと!

「あるよ!!」「2個も!!」

と言ってたので取りに行くと二個とも内側のテーパーが傷だらけ

しかたない・・・

オークションで買うか・・・・

と思い「数撃てば当たるか」と思い購入すると2つともゴミパーツ・・・

写真では分からないので内側のテーパー部分傷ありませんか?

と質問すると「とても状態は良い」との回答だったので買いましたが

キー10回ぐらい飛んだんじゃね?

と思う様なゴミパーツが来ました

近くならカチ喚きに行きますが出品者が神奈川だったので断念・・・

以前からヤフーで売っているZの部品はゴミが多いってのは知ってましたがここまで酷いとは・・・・・・

ゴミパーツの擦り付けあいの状態です

中には良い箇所悪い箇所を細かく書き正直に販売している人も居ますが「詐欺やん」

ってパーツが半分程締めていると思います

ダイナモ周辺で時間を取ってしまったのでとりあえず腰下をフレームに載せます

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シリンダーヘッドを修正にかかります

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見てみると何度も手直しした痕跡があります

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バルブのシートリングを交換してあります

Zのエンジンは鋳込みのシートリングなので外すことは出来ないので切り取ってしまいます

なので古いシートリングの中に新しいシートリングを冷やしばめして圧入します

古いシートリングを全て切り取ってしまうとプラグホールまでの肉厚が無くクラックが入るからです!!

なのでこの方法でシートリング交換するのは正解です!

しかしこれはZ2!多分ヘッドもZ2だと思う・・・・

丁寧にバルブガイドも交換されていますがZ2でガイド交換なんで必要ないと言っても過言ではありません

多分前にエンジンを分解した時にシートカットし過ぎて失敗しシムで調整出来なくなりシートリング交換するついでにバルブガイドも交換したと思われます

Zのエンジンを分解した時ガイドの交換をお勧めされる事も多いと思いますが本当にガイドが交換必要なZのエンジンって稀なんです

下らないバイク雑誌では交換では交換が当たりかの様に書かれてますが嘘です

確かにZのエンジンはザッパー系エンジンに比べるとガイド交換が必要な物の割合は多いですがアメリカから来る一部のZです。

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この写真はZのヘッドに付いていたバルブガイドです

完全にダメだったので交換しましたが内径7ミリなのですがこれはノギス測定で8ミリ以上まで広がっています

なぜアメリカから来るZはこんなに摩耗しているのかと言うと週に一度600キロの道のりを通勤するとかが当たり前の国だからです

買い物するのに片道3時間とか当たり前の国です

10万キロなんて、たいした走行距離ではないんです

でも本当にバルブガイドを交換しないといけない車両は少数派で良好なのに良品か分からない(判断できない)から交換するお店が多いと思います。

バルブガイド内径の摩耗は判断できても圧力検査の時バルブガイド外周の点検をしていないショップが多いのでこの様にZ2でもガイド交換したりシートリング交換したりするのだと思います

「これが正しい修理」とユーザー側を洗脳してしまったのがバイク雑誌だと思います

記事を書いている記者はエンジンのエの字も分からないド素人です。。。

そんな記者とは会話すら噛み合わないので雑誌の取材は断ってます

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45度面はとても綺麗に加工されてましたが2番のシートリングだけ45度面の内側の肉厚が分厚くシートリングの内径が絞られている状態でした!!

なぜかここだけシートリングの素材も違うみたいです

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なのでここは他のシートリングの形状に合わせる為75度で内径を加工しました!

加工しなくても問題なく走りますがここだけ排気効率悪いってもの何となく気持ち悪いので・・・

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他はこんな感じの仕上がりです

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45度面は加工と言うよりサッと研磨したぐらいの薄いカットです

ズレも無く状態は良好

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バルブの45度面は修正されずそのままカーボンだけ落としてすり合わせして組んだみたいです

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45度面を研磨機で修正しました

すり合わせをして圧力検査をしてヘッドを仮組します

Zのエンジンの走行距離を感覚で判断するにはカムの遊びを感じ取るのが1番!!

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幾らバルブガイドを交換してもシートリング交換してもここの摩耗・変形は誤魔化せません

やっぱりこのヘッドはあまり走行していない状態の良いヘッドです

遊びも5/100程なのでさすがにシム調整は2・3上死点でも測定が必要ですがとても状態は良いです!!

カム磨いてるからカムホルダーでクランプさせるトコが少し細くなってるのだと思います。

しかしEXの2番カムホルダーは前後逆に付けられていたのでカムメタル新品にしても少し遊びは大きめ

でも焼けずに本当に良かったです

シム調整で音は消えそうと判断したのでヘッドは使います

と、言うか遊びの無いヘッドなんでまず買えません!

ここの遊びが大きいのは過激なハイカムを組んだシリンダーヘッドか海外でとんでもない距離を走破したヘッドか、です!!

そんなヘッドは幾らシムの調整をしてもヘッドからチッチッチッと音が出てしまいます

カムシャフトが回転するとカムホルダーは上へ押し上げられる力がかかります。

過激なハイカムを強化バルブスプリングで組むとカムホルダーの変形を加速させます!!

長期的に気持ちよく乗るならノーマルカムか強化バルブスプリングを使わないST1カムが絶対にお勧めです

ここのカムホルダーの摩耗・変形は絶対に修理出来ません!

勿論カムメタルを新品にしても直りません

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0.05薄めのシムを入れて調整します!

ヘッドを組んだらクリアランスが変わるからです

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カムホルダーを固定するボルトのメネジが2か所バカになっていたのでロングヘリサートを入れました

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シリンダーヘッド完成です

シリンダーのボーリングが仕上がりました

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ダイヤルゲージを入れ!

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測定完了

4/100から5/100の仕上がりです

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77ミリピストンを組み込みます

このピストンを組むにはシリンダーの構造から理解しないと組めません

Zのシリンダーは鋳造までは良いのですが加工の時になんでこんな加工したん?

ってメーカーに突っ込みたくなるシリンダー・・・・

カワサキ重工の加工の尻ぬぐいの為溶接しアルミを起こし加工しなおさないといけません

知人に当時の開発部の人が居るので聞いたのですが

「なんでこんな加工したんやろ・・・覚えていない・・・」って言ってました

シリンダーの修正をするとオイルリーク対策が出来ます

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で!今回はZ2クランクなのでピストンのスキッシュエリアは0.5ミリ高めの仕様です

菊花紋章のマークはペタペタとスタンプ押してるのですがめんどくさいので今回は無し

ってかスタンプどっか行ってもて探す時間が惜しいのでこのまま組みます

また探しときます

そしてシリンダーヘッドを組みます

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そしてPAMSのダイナモキットが来たので組みます

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コイルのここはオイル漏れ対策をしようとあがいた痕跡・・・・

配線の回りには液体ボンドをなすってあります・・・・

これでは漏れてくるのでボンドを流し込んだのですがここも全交換なので!

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取り外し!

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組み込み!!

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前にエンジンを組んだ人は当時物に拘ったのかここら辺も当時物だったので新品に交換!!

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なのでこのワッシャーをかまして組みます

これが無いとボルトの先端がフライホイールの内側へ飛び出してしまうらしい!

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取り付けは説明書があるので思ったより簡単でした

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組んだらこんな感じです

マグネット地獄にハマる前にこれ組めば良かった・・・・

Z400FXのE3までは発電が二相交流なので弱いですがゼファーのを移植すればいっちょ上がりです

部品代は500円ぐらい

Zだと85000円・・・・

でもこれで安心と静かなエンジンになると思えば安いかな!と思います

カムを組みシムの調整をします

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とりあえず1・4を圧縮上死点にして調整します

でもこれだけではNGです

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2・3番を圧縮上死点にして一つのカム山で2回測定します!!

ザッパー系エンジンではこんな必要はないのですがZヘッドはこれでクリアランスが変わります

過走行・ハイカムによるカムホルダーの変形が原因です!

カムがカムメタルの中で遊ぶので異音の原因になります!

2番のカムホルダーが逆に付いていたのでカムメタルを交換してもやはり若干遊びますので狭い方で合わせて調整します!!

でもこのヘッドは軽症!!

二度目の測定で0.15程変わる物もあります

このヘッドは0.05程しか変わらないのでとても状態の良いヘッドの部類に入ります

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ヘッドカバーを組んでエンジンに火入れします

始動させると力強いハイレスポンスエンジンに化けました

試乗の前に電圧の測定!!!

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ん???(;・∀・)

アイドリングで15ボルト・・・・

3000RPMだと16ボルト超えます!!!

レギュレータもダメみたいなのでゼファーの物を移植します

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純正が一番です

オークションではリプロ品が出回ってますが基本それもゴミパーツです

外すと汎用品の安物が付いていたので純正品に交換しました!!

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アイドリングでも14ボルトで安定!!

5000RPMでも常に14ボルトです

PAMSのキットを組んだので発電量も高めでアイドリングで13ボルトのZですが14ボルトをキープしてるのでバッテリーも長持ちしそう